- 最高裁は「NHK受信料義務は合憲」と判断
- テレビ所有者はNHK受信契約を拒否できない時代へ
- 今後はインターネットユーザーへも懸念
概要
2017年12月6日、NHKの受信契約をめぐる訴訟の上告審で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は6日、テレビを置く人に受信契約を義務付けた放送法の規定が「合憲」という判決を下しました。これにより、テレビを持っている世帯は受信料契約を拒否できなくなります。日本は法治国家ですので、「テレビ設置=NHKに強制加入」ということになります。また、「テレビ設置時点まで遡って支払い義務がある」とのことですので、もし、NHKの契約を拒否してきた場合は急いで契約をしたほうがよいと思います。
- テレビあり・NHK未加入 → 急いで契約を
- テレビなし・NHK未加入 → インターネット放送による受信料発生の動向に注目を
判決を紐解く
判決はこちらです。また、「受信料は合憲」という根拠の箇所を引用すると以下の通りです。
放送法に,受信設備設置者は原告と受信契約を締結しなければならない旨の規定を設けることについて,同法制定の際の国会審議においては,政府委員から,「受信機の許可ということをはずしたのであります。そうなって参りますと,一方において無料の放送ができて来るということになると,日本放送協会がここに何らか法律的な根拠がなければ,その聴取料の徴収を継続して行くということが,おそらく不可能になるだろうということは予想されるのでありまして,ここに先ほどお話いたしましたように,強制的に国民と日本放送協会の間に,聴取契約を結ばなければならないという条項が必要になって来る。」(昭和25年2月2日第7回国会衆議院電気通信委員会議録第4号6頁)などとする説明がされている。
敢えて言おう。年額13,990 円は高い!
NHKの料金プランで、特例を除いた場合、一番安いプランは「地上契約・年額払い」です。そして、その価格は13,990 円です。このことを前提に以下の2つを想像してみてください。
- もし、NHK受信料が年額1,200円だったら?
- もし、NHK受信料が年額120,000円だったら?
筆者の個人的な見解ですが、NHKの未契約世帯が推定900万世帯もいることを考えますと、やっぱりNHKの受信料は高いと思います。それから、もう一つ怖いことは、NHKの受信料増額に対する抑止力がテレビの廃棄以外ないという現状です。これから人口は減少していきます。受信料が減少する見込みはあるでしょうか?NHKが増額になったうえで、インターネット契約による受信料発生などといったことが起こらないことを願うばかりです。しかも、今回の判決で、遡って支払いの義務が生じることは確定していますので・・・
月額100円くらいのプランも作ってみては?
NHKさんに一つご提案したいのですが、「緊急放送のみ」のすごく受信料の安いプランを作って頂いたほうがいろいろと折り合いもつくのではないかと思います。緊急放送以外は全てスクランブル放送で構いません。平和のためには「ダイバーシティ(多様性)」を認めるというのが、現代の常識です。大河ドラマや歌番組も、「無駄な経費」としか感じない方も一定割合いると思います。スリムなNHKを期待する層の収益源として機能すると思います。NHK全体の収益は、もしかしたら減るかもしれませんが、それ以上に無駄な出費を抑えられるとも思います。
まとめ
今回のNHKの受信料支払義務は合憲という判決は、個人的には本当に残念で仕方ありません。筆者は5年前にテレビを捨てました。なので、無縁といえば無縁なのですが、その時は、ブラック企業を過労で退職し、療養費に貯金を割いている中、食費にも困っていた事情もあり、無視したくないという思いから記事にしました。
今回の判決、裁判官15人のうち14人が合憲との判断でした。法曹家として、きっとたくさんの法や判例に精通されていることかと存じます。一方で、経済的搾取による「飢え」を実際に経験されたことがあるか、素直に伺ってみたい感情にも苛まれました。
何をもって、受信料の価格の適正さを判断すべきか、放送法で示唆されている売り側(NHK側)の事情のみならず、買い側(視聴者側)の事情も十分汲み取って頂いたほうが、今後の発展、良好な関係性につながるものと個人的には思います。